ブルンジ紀行

 

   アフリカの大地溝帯グレート・リフト・バレーによって形成されたタンガニーカ湖。琵琶湖の50倍の広さ

 旅の初めに・・・

 2014年9月、ブルンジを旅することにした。
 ブルンジと言う国についての知識は皆無であった。名前すら記憶には無い。

 アフリカ地図で調べると、タンザニアの西に小さく小さくあるだけだ。四国の1.5倍程度らしい。アフリカの大地溝帯が走り、タンザニーカ湖をコンゴ民主共和国と共有しているようだ。

 人間開発指数(人々の生活の質や発展度合い)は、世界187カ国のうち、何と185番目、つまりビリから3番目の世界最貧国の1つであった。

 近隣諸国のウガンダ、ルワンダに行くので、通過点でもあり眺めてきたい。


                   
                      ☆アフリカ全図

          ☆ブルンジの位置

ルワンダコンゴ民主共和国タンザニアと国境を接している

首都はブジュンブラ

 

  ☆ブルンジ・ワンポイント情報

 ・国名     ブルンジ共和国             ・民族構成   フツ族90%、ツチ族10%   
 ・面積     四国の1.5倍              ・宗教      カトリック65%、プロテスタント10%、伝統宗教23%
 ・人口     850万人                 ・言語      仏語、キルンジ語
 ・首都     ブジュンブラ(人口23万人)      ・産業      農業(コーヒー、茶)     
 ・宗主国    ベルギー                
 ・特徴     多数派フツ族(全人口比9割)と少数派ツチ族(全人口比1割)の間で抗争

   ☆ルワンダより国境を通過し、ブルンジへ

  アフリカの多くが頭に乗せて運ぶ      藁ぶき屋根の家が多い  コーヒー栽培が多い、唯一の輸出品

     外国人が珍しいようだ      家の前で、無気力な人々       粗末な衣装が目立つ

   
    ☆ ブルンジ・・・

              

内戦

 ブルンジは、中部アフリカの内陸に位置する国家ルワンダコンゴ民主共和国タンザニアと国境を接している。多数派のフツと少数派のツチの間で対立があり、1962年の独立以降たびたび衝突し、1993年には内戦にまで発展している。

タンガニーカ湖の北東に位置する平均高度2300mの内陸の高原国。中央から北東部にルブブ川が、西部のコンゴ民主共和国との国境にはルジジ川が流れてタンガニーカ湖に注ぐ。山岳と起伏の激しい高原のため“アフリカのスイス”ともよばれる。

 世界最貧国の1つ。自給的農牧業が主でキャッサバ、サツマイモが栽培される。牛は財産として重要であるが、過放牧による弊害も深刻。輸出はほとんどがコーヒーで、ほかには綿花、茶が栽培される。タンガニーカ湖では漁業がおこなわれる。金、スズの鉱産があるが、産業が発展しない原因の1つは交通網が未発達なためで、タンザニアに通じる鉄道と道路が国際機関の援助で建設されている。

  

    ☆田舎のカテドラル

       キリスト教が75%           ひたすら願うは何であろう?

    教会の庭には ジャカランタの花が満開                鮮やかなジャカランタの花

 

        教会に来る時はおめかしで来る       シンプルな教会内部、国力で質素になるのか

             教会の庭で撮影会、カメラが珍しいのである

    ☆ アフリカの大地溝帯

 大地溝は、主にアフリカ大陸を南北に縦断する巨大なで、プレート地球の表面を覆う、十数枚の厚さ100kmほどの岩盤のこと)境界の一つである。

 大地溝帯の谷は、幅35 - 100 km、総延長は7,000 kmにのぼる。
正断層で地面が割れ、落差100 mを超える急なが随所にある。

 隣国ルワンダと同様、内戦であったが、復興は一向に進まない   牛は貴重な財産だが、緑が失われ、過放牧による弊害も深刻

                      大地溝帯のを利用して見事な棚田が広がる

        点在する農家の家   標高2025mの高地    日干しレンガを作り生計の足しにする

    ☆首都ブジュンブラ

 人口300,000人(1994年)。

 タンガニーカ湖の北東に位置し、ブルンジ最大の都市で、同国の政治及び経済の中心。主な工業製品はセメント 石鹸

 第一次世界大戦後はベルギールアンダ=ウルンディの首都とされた。

 

 貧しいがインターネットは富裕層に使われている   今夜のホテル、冷房があり有難い   ホテル中庭のプールは黒人ばかり

       
    首都からタンガニーカ湖は至近距離                 ホテルの地図

        首都の街を散歩          バイク・タクシー            メイン通り

      警官はフレンドリー     インターネット利用で並ぶ市民         街中、ゴミは放置

       インターネット店      キャッサバ売りの女性    路上ブティック、ミシンを踏むのは男性

 

            花は万国共通で綺麗                  街路樹

           ☆ タンガニーカ湖

 世界でも固有種の多い湖として有名で、ここに生息する魚の約80%、貝類の約90%が固有種である。多くの淡水魚やデンキナマズ肺魚などが生息する。琵琶湖の50倍の面積。

 湖の魚は周辺地域に住む人々の主要なタンパク源となっている。湖の周囲では約800箇所で漁業が営まれ、漁業に直接かかわっている人が約4万5000人、間接的に依存している人は約100万人といわれる。タンガニーカ湖産の魚は東アフリカ全域にも輸出されている。

 アフリカの大地溝帯グレート・リフト・バレーによって形成された。

            

   主要なタンパクとなる湖の魚   観光客が多い浜辺で土産物売る子供達      今回の現地ガイド

 ガイドとツーショットの師匠は、落研出身     師匠は話し上手で人気者      小舟で漁をする現地人

                 元気な子供達        ビーチ一帯は富裕層がホテルを所有

   プール付きの豪華ホテルが並ぶ         巨大とんぼ         ホテルの日本車

                     カテドラル           質素なカテドラル内部

     ☆ランチ・タイム

              本日はイタリアン          この街では有名なのでしょう

      スパゲティ、ムム~ッ!         ピザ、ホホ~ゥ!       デザート、フゥ~ン!

    ☆クラフト・マーケット

 30分で見ましょう! イヤ、10分でいい~         動物狩りの槍?             木工品

         本物そっくり                 まさしく、売るほどあります

 

     ☆市場

                   首都ブジュンブラ23万人の台所

                       活気みなぎる市場

     次はケニア経由~マラウィへ

          ケニア空港         ホテル ボマ・イン         周囲は立派なホテル

 

                ケニアの花                ケニアの花

 ケニア空港道路沿いの動物はゾウの群れ         全部作りものでした   精巧に作られており、一瞬本物?

 
 
  ☆旅の達人

貧乏だからと、風邪通しよくするため自分で割れ目を入れ、針を使うのは良いが、シッチャカ・メッチャカ。芸術品ですな~。荷物は小さなザック1個。つけたあだ名は「親分!」 ズボンのアゲをしたが、黒字に白い糸。奥さんの手は借りないそう。2週間以上同じ服装、150カ国以上放浪中とか、貧乏ではないですな!絵はプロ並み、HPが素晴らしい。81歳とは思えないタフさ。

青空トイレは大好き、と小走りで飛んでいく。

世界中を仕事と遊びで飛び回ったという。含蓄あるお話は聞き逃せない旅の達人。

 

          ☆ドイツ領東アフリカ時代、ルアンダ=ウルンディ(ベルギーの植民地)時代

(ブルンジ、ルワンダ、タンザニア)がドイツ領東アフリカ、がその他のドイツ植民地赤の地域はドイツの敗戦により、イギリスとベルギーによって分割統治

 東アフリカに存在した、後のブルンジルワンダ、およびタンガニーカタンザニアの大陸部)の3地域を合わせたドイツ帝国の植民地。 面積は現在のドイツの3倍に近い。

 第一次世界大戦後、ドイツが破れイギリス帝国ベルギーに占領された後、委任統治領となった。

 ルアンダ=ウルンディ

 ルアンダ=ウルンディは、のちのルワンダブルンジに存在したベルギーの植民地

 委任統治の1924年から1945年までと、信託統治の1945年から1962年まで存在し、ルワンダブルンジの独立により1962年に消滅した。

 

          

                          ☆略史

  年月                 略史

 17世紀頃             王国成立
 1889年              ドイツ保護領
 1905年〜             ヨーロッパ人が疫病を持ち込み、また、飢饉も発生し、人口の半分は死亡
 1922年              第一次世界大戦でドイツが破れ、ブルンジはルワンダと共に、
                    ルアンダ=ウルンディとして、ベルギー領となる(委任統治)

 1946年              第二次世界大戦の後に誕生した国際連合によって、同国はベルギーの
                    国連信託統治領となった

 1962年              ベルギーよりブルンジ第2王国として独立
 1965年              フツとツチの民族争いが活発となる。フランスがクーデターを支援
 1966年              君主制の廃止を宣言し、共和国宣言
 1993年2005年        フツとツチの民族間でブルンジ内戦
 2008年              和平合意

             ☆ゴリラ・トレッキング

 マウンテンゴリラはウガンダ・ルワンダ・コンゴの国境地帯に広がる山岳地帯にのみ棲息している。

 乱獲により一時は絶滅の危機に瀕したが、現在では約600頭のマウンテンゴリラが確認されている。

 ルワンダのヴォルカン国立公園ではゴリラの保護のため、トラッカーと呼ばれるレンジャー達が一日中ゴリラ達を観察し、密猟者から守っている。

 ゴリラ観察は一日1グループにつき8名しか許可されず、ゴリラに極度のストレスを与えないように、観察が許可されるのは1時間のみである。

       ☆アフリカ8カ国一覧

国名

面積

人口

首都(人口)

民族

言語

宗主国

宗教

産業

識字率

平均寿命

ウガンダ

本州と同じ

3,300万人

カンパラ
(人口142万人)

原住民族

英語、スワヒリ語、ルガンダ語

イギリス

キリスト教60%、伝統宗教30%、イスラム教10%

鮮魚、コーヒー、紅茶、綿花、タバコ

67%

58.6才

ルワンダ

四国の1.4倍

1,000万人

キガリ
(人口33万人)

国民の84%フツ、15%がツチ

キニアルワンダ語、英語、仏語

ベルギー

カトリック57%、プロテスタント26%

コーヒー、茶

65.3%

63.5才

ブルンジ

四国の1.5倍

850万人

ブジュンブラ
(人口23万人)

フツ族90%、ツチ族10%

仏語、キルンジ語

ベルギー 

カトリック65%、プロテスタント10%、伝統宗教23%

農業(コーヒー、茶) 

65.9%

53.6才

マラウィ

北海道+九州

1,526万人

リロングウェ
(人口65万人)

バンツー系

チェワ語、英語

イギリス

キリスト教75%

タバコ、紅茶、砂糖、綿花、コーヒー

72.8%

47.0才

モザンピーク

日本の約2倍

2,289万人

マプト
(人口188万人)

マクア・ロムウェ族など43部族

ポルトガル語

ポルトガル

キリスト教(41%)、イスラム(17.8%)、原始宗教

農業、漁業

54.0%

49.8才

スワジランド

四国と同じ

117万人 

ムババネ
(95万人)

スワジ族、ズールー族、トンガ族

 英語、シスワティ語

イギリス

原始宗教、キリスト教

濃縮清涼飲料、砂糖、パルプ、柑橘類 

85.6%

42.0才

レソト

九州の1/7

200万人

マセル
(人口18万人)

バソト族

英語、ソト語

イギリス

キリスト教

農業、牧畜

女性90.3%。
男性71.3%

48.8才

南アフリカ

日本の3.2倍

5,119万人

プレトリア
(人口52万人)

黒人、白人、カラード、アジア系

英語、アフリカーンス語、計11が公用語

イギリス

キリスト教、イスラム教

金は世界の産出量の半分を占める

89.0%

56.1才


                 ☆アフリカはかって殆どがヨーロッパの植民地

1912年の植民地

 旅の終わりに・・・

 ブルンジは貧しい。識字率は65.9%、平均寿命も53.6歳、世界平均より大幅に劣る。しかし、国民はそのような事は知り得ないだろう。子供の笑顔ははじけている。

 貧乏故にこの国の警官は汚い。街の出入口の検問と称して、ガイドや運転手から通過の為には、因縁をつけては賄賂を請求する。小悪人ばかりだ。アフリカの特徴である。その賄賂やチップはとどのつまり旅行者の懐から出るわけだから・・・

 結局、アフリカの多くの国が貧しいのは政治体制である事が事実であろう。独裁者や権力者や一部の小悪人共がいる限り、その国は永遠に発展しないだろう。

 ODAやJICAを通じて援助しても上層部を潤すだけである。ルワンダはその点違っていた。小さな国だが近年大国になるかもしれない。

 優秀で誠実なリーダーが一人望まれるブルンジであった。

                                          おわり                                                

 

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