・・・函館物語・・・

     

        函館、ナポリ(イタリア)、香港(中国)の夜景は、世界三大夜景と呼ばれている。函館山(334m)からの眺望

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   ★函館と言えば・・・

    辻 仁成(つじ ひとなり / つじ じんせい)

 PCで「函館物語」と検索すると、辻仁成著の「函館物語」と燻製たまご函館物語6個入)が出てくる。
 「函館物語」は函館に暮らす人々の風景が描写されている。
 辻仁成は中学・高校時代の最も多感な頃を函館で過ごした。日本の作家、ミュージシャン、映画監督、演出家。女優の南果歩(現・渡辺謙夫人)と再婚、その後女優の中山美穂と3度目の結婚・離婚。現在はパリで執筆活動。何かと話題が多い人物である。

 1997年、『海峡の光』で第116回芥川賞を受賞。内容は、函館の刑務所という舞台を通じて、かつてのいじめっ子・いじめられっ子の精神の暗部の流れを描いた作品。

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 旅の動機・・・

  2016年3月 ふと、ツアー会社のパンフが目に付いた。
 札幌発函館へ「2泊とも飲み放題、ベニズワイガニ食べ放題、のんびり湯の川温泉2連泊バスツアー3日間と、何とも長い見出しである。しかも2万円である。か細い年金を工面して参加する事にした。紀行のタイトルは「函館物語」とした。 実際はは「グルメ旅」である。

 3月は函館が熱い。
 この時期、朝イカ(ヤリイカ)が近年になく豊漁で、客が朝市のイケスで釣ったイカを、その場でさばいて食べさせる大サービスがあるとか。心が躍る。
 そして新幹線が青函トンネルを通り、初めて函館まで開通すると言う。歓迎ムードいっぱいの様だ。とにかく函館の話題が多いのである。

 函館と言えばグルメ、海産物が有名。そこで食べたいものをイメージして見た。

 イカ、カニ、ツブ、ホタテ、ウニ、エビ、タコ、マグロ、ホヤ・・・・・(どうして旨いものはカタカナなのだ?)

 何はともあれグルメ旅に出発進行! バス車中用にポケット・ウイスキーとつまみを偲ばせて。

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    ★出発

 大型バスに45人。ジジババ&暇人を乗せて  クラークは言う 「ジジババよ、もっと活動せよ!」          残雪残る中山峠と、樹海が美しい

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    ★午前のおやつ

   中山峠(標高835m)で1回目のグルメ         あげいも3兄弟   こちらはカボチヤ入り、これも ウ・マ・イ

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     ★ランチ・タイム

   長万部名物かなやの「かにめし」は全国駅弁で常に上位   本日は駅弁ではなく、カニ飯定食、そう本日はリッチなのだ

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     ★ 車窓

 太平洋(噴火湾)は、内浦湾なので波静か。カニが泳いでいる。              駒ケ岳(標高1,131m)が美しい


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     ★何かと話題の「北海道新幹線」

            2016年3月26日に、新青森駅〜新函館北斗駅間が開業

 当HPの管理人は、学生時代の昭和40年(1965年)前後に、札幌~東京・上野間を何度も当時の国鉄(現JR)で往復した。東京オリンピックの頃である。その所要時間を思い出した。貧乏学生なので全て急行列車である。

  蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン

   ・昭和40年頃  札幌駅 ~ 函館駅 ~ (青函連絡船) ~ 青森駅 ~ 上野駅
                6時間30分・・・・・・・4時間30分・・・・・・・・・・・ 14時間     計25時間(待ち時間を入れると1日と少し)

   ・平成28年の現在 
                3時間30分・・・・・・・新幹線1時間程度・・・・・・3時間30分   計 8時間 (50年で1/3に短縮)

  蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン蝶結びの水引のライン

 何かと多い悪評!

 ・無駄な公共投資、選挙目当ての道路・建築業者にバラマキである。
 ・札幌まで延長は15年後、それまでは8時間を要し、今までとは変わらない。
 ・料金が高い。速さを求めるならば、飛行機の方が割安で速い。
 ・新函館北斗の駅が函館から遠く、乗り継ぎを要す(20分)。
 ・駅名が「新函館北斗駅」、観光客や利用客には馴染まない名前。函館でいいじゃないか、地元のエゴとしか思われない。
 ・新幹線を利用して函館に来る人などいなくなるだろうという意見。
 ・価格でも早さでも利便性がないから使わない。

 ・北海道新幹線、予約率まだ25%(開業から9日間の指定席)
 
・使わない人が多いのだからビジネスとしては失敗。またまたJR北海道は赤字が増える。
 ・JR北海道は北海道のへき地路線を廃止して、弱者切り捨て経営がますます増加。公共性はどこへ行ったのだと言う意見。
 
・確かに時間短縮は、急いでいる人には便利である。しかし考えてみよう。
   「狭い日本、そんなに急いで何処へ行く!」 と言う意見もある。
 
 賛成意見もある!

 ・観光大国北海道に鉄道を利用し、多くの人が押し寄せ、北海道の産業が活性化する。
 ・青函トンネルを抜けて青森、そして岩手へと道民の観光地が広がるだろう。
 ・道内の移動はのんびり鉄道でという道民が圧倒的に多い。
 ・冬の北海道、悪天候で欠航が多い飛行機より、鉄道の方が安心である。
 ・万一の飛行機事故より、鉄道の方が助かる率は高い。

 総括!

 今や高齢化時代。平成27年調べで、高齢者人口は3,384万人、総人口に占める割合は26.7%と共に過去最高。80歳以上
 人口が初めて1000万
人を超えたという。そして、日本の高齢者人口の割合は、主要国で最高である。

 何を言いたいか? 高齢者の多くが仕事をせず、時間が余っている。余っている時間は売るほどあるのである。いな、売れ
 残っている(私の人生の師匠談)。時間がありすぎる高齢者に早い乗り物は不要なのである。トコトコ走る乗り物の方が良いのだ。

  時間も金も余っている高齢者を、家から引っ張り出さなければ日本経済は成り立たないと言う。

 最近の日本は間違っていると言われる。便利な原子力発電の元、人命を失う危険性が多い。そして効率と称して時間短縮し、その結果失業者や弱者が多くなる。結果、弱者切り捨て。速く移動して何が良いのか。所詮、人生平均年齢80歳ではないかと。

 アフリカや発展途上国の多くが、時間を気にせず平和に安穏と暮らしている。携帯電話もパソコンもない、もちろん新幹線もない。それも文化である。それでも多くの人が幸せな人生を送っている。私は150カ国の旅をして、そういう人々を多く見てきた。


 先進国ヨーロッパの多くが現在、ISや自爆テロで被害にあい右往左往している。 原因の一つに、アフリカのイスラム教国家から移住してきた2世や3世の多くが、弱者切り捨てに不満を抱いての行動であると報じられている。

 日本もここで考えねばならない。効率化、時間短縮、競争社会は結構だが、新幹線の陰でローカル線廃止等、弱者が切り捨てられている現状。
 昨今話題の「保育園落ちた、日本死ね!」 が対岸の火事とは思ってはいけない。

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    ★はこだてわいん葡萄館

  国産ワインコンクールで「金賞」「部門最高賞」を各2度受賞                試飲、全部試飲しました。

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  函館歴史今昔

 ・1454年、室町時代の武将・河野政通が館を築く。館が箱の形に似ていることに因んでこの地を「箱館」と呼んだとされている。
 ・1457年(室町時代)、アイヌが箱館を攻略。
 ・1613年(江戸幕府)、松前藩が亀田に番所を置く(後に亀田奉行所となる)。
 ・1793年(寛政5年)、ロシアの使節が来航。漂流民大黒屋光太夫らを受け取る。
 ・1796年(寛政8年)、高田屋嘉兵衛が蝦夷地に来航、漁場を開く(北洋漁業の礎)。


 ・1799年(寛政11年)、江戸幕府はロシアの南下に対して蝦夷地を直轄領とし、箱館に奉行所を置く。
 ・1854年(安政元年)、日米和親条約の締結により幕府は箱館と下田の開港を決定
 ・1859年(安政6年)、函館、長崎、横浜とともに日本国内初となる対外貿易港として開港した。箱館でも出島方式の
               外国人居留地を計画、それが異国情緒豊かな街並みとして残り現在に至っている
 ・1905年(明治38年)~昭和の戦前期にかけて北洋漁業基地として最盛期、その間にイカ釣り漁と加工業が台頭した。
 ・1907年(明治40年)、1921年(大正10年)大火後の復興では、1階が和風建築で2階が洋風建築の和洋折衷建築が
                多く建てられ、函館の特徴的な景観になっている。

 ・1908年(明治41年)、青函連絡船運航開始
 ・1945年(昭和20年)、米軍による函館空襲、(西部地区および青函連絡船に被害、焼失戸数約400戸、死者477名)。
 ・1954年(昭和29年)、台風15号(後に洞爺丸台風と命名)の影響による洞爺丸事故発生(死者乗客乗員計1,430名、
                日本国内最大の海難事故)。
 ・1988年(昭和63年)、青函トンネル開通し海峡線(津軽海峡線)開業。80年の歴史ある青函連絡船廃止
 ・2016年(平成28年)、北海道新幹線、函館まで開業。

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    ★函館ベイエリア

          ベイエリアは、函館港に沿って倉庫群が建ち並ぶ、函館の定番観光スポット    明治期の函館の雰囲気を感じる

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   ★函館山

  ロープウエイに乗って一気に頂上(334m)へ                             この美しさが函館の魅力


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    ★知っていましたか?

 ★1945年(終戦時)、北海道の人口は日本一、函館の人口は北海道一 ・・・・・・知っていました?★

 主要都市の人口(1945年)
  1位 北海道  3,518,000人
  2位 東京    3,488,000人
  3位 愛知    2,857,000人
  4位 大阪    2,800,000人

   (原因は、戦争で北海道に大量に疎開したため)

 ★1919年(第一次世界大戦時)、北海道の主要都市人口

      1919年~1940年    1950年        2016年

  1位   函館 144千人    札幌 313千人    札幌 1,954千人

  2位   小樽 108千人    函館 228千人    旭川   349千人

  3位   札幌 102千人    小樽 178千人    函館   274千人

   (1919年当時は世界大戦の特需景気)

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    ★湯の川温泉

   

       函館の奥座敷「湯の川温泉」      ビュッフエ・スタイルで食べ飲み放題     ベニズワイガニや、海鮮物も食べ放題

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   ★函館名物 「朝市」

      朝市は函館駅のすぐ隣         朝市の後方には函館山        函館は「イカとコンブの街」

  500店、従業員1,000名、一日5,000名来客      人気の「どんぶり横町市場」    この日は月に一度のサービス、500円!

        押すな押すなの大盛況!      大評判! 活イカをイケスから釣る      気をつけないと墨をかけられます

    すぐさばいてくれる、足はまだ動いてる!  ホタテとビールで乾杯! この生きの良さ、函館はショウガで食べる文化。これが本当のイカ

     本当の朝イカは透きとおり、コリコリ、甘いのです         これが500円、5色海鮮丼。毎日食べた~い

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      ★函館は「イカとコンブの街」

 イカのお話

 日本のイカ水揚げ量ベスト3 (2015年統計)   

  1位  北海道    60,100トン (函館地区が39.4%の水揚げ量で、北海道1位
  2位  青森県    50,200トン
  3位  長崎県    16,000トン

 世界の生産量は? (2013年統計)

  1位  中国     916,104トン
  2位  ペルー    467,672トン
  3位  韓国     264,798トン
  4位  日本     221,711トン

 コンブのお話

 コンブの生産は、北海道で日本国内の約 95% が生産されている。中でも函館地区は北海道一の生産量、そして真昆布と言う種類が味と品質でNO1であり、函館がコンブの街と言われる由縁である。

 世界の生産量は?

  1位  中国    5,088,685トン
  2位  北朝鮮     444,300トン
  3位  韓国      200,000トン
  4位  日本      120,000トン

   参考 → → →  管理人のブログ 2015年5月 「日本一の営業マン」(昆布のお話)

       

 コンブの生産世界一、中国の歴史(がごめ大辞典より) 

1.中国の昆布 その1

中国4000年の歴史に昆布が登場するのは周の時代(約2500年前)。『爾雅(ジガ)』という書に綸布(カンプ)という昆布の語源になったと思われる文字が出てきます。以後、昆布の中国名の海帯(ハイダイ)という言葉は1057年の本草書「嘉祐本草」で始めて登場します。

内陸に都が続いた中国では、海産物が貴重品であり、自然条件として昆布が成育しない土地柄、古くは渤海、そして朝鮮や日本から貢ぎ物として伝わったと考えられます。清の時代(日本では江戸時代)からは長崎や琉球を経由して日本の昆布が大量に輸入されました。内陸部の風土病(ヨード不足から甲状腺が肥大し瘤になる)対策には欠かせなかったようです。

その後、ペリー提督の通訳として来日した広東の中国人羅森の情報により函館から直接昆布が中国にもたらされるようになりました。

2.中国の昆布 その2

1930年代、日本人大槻洋四郎により大連、煙台で昆布の養殖に成功し、中国での昆布養殖の時代が開かれました。現在中国では年間70万tとも80万tともいわれる膨大な量の昆布が総べて養殖で生産されています。その約半分は山東省で生産され、福健省、遼寧省でも生産されています。その多くは化学工業用原料とされ食用は、少ないのですが約1000年以上昆布の輸入国だった中国は世界一の昆布生産国となり、台湾や日本に輸出する立場となりました。

料理法は地域によって異なりますが、刻み昆布を前菜として使用したり炒めたり結び昆布のスープなど様々です。ただし、養殖物の1年草ですのでダシ昆布としてはほとんど使用されていません。青島にある中国科学院海洋科学研究所の曽教授と費教授は現在昆布の世界的な権威としてその名を広く知られ、最新の養殖技術を駆使して量から質の時代に転換を図っています。

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  ★市内巡りと坂本竜馬記念館

 

    函館は便利、路面電車を利用して散策  蝦夷地開拓と防衛のために、北海道開拓を最初に考えたのが坂本竜馬であったが、暗殺され夢は叶わず  刀、手紙等々、維新の時代の物が多い。今は坂本家九代目が館長として運営。

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    ★函館観光名所

                                 函館八幡坂からの景観  

        

          函館ハリストス正教会はロシア正教会         五稜郭は江戸幕府によって建造された

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     ★函館市熱帯植物園 / 温泉に浸かるサル

                熱帯植物園     植物園に隣接したサル専用の温泉、気持ち良さそ~う

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    ★大沼公園

                  大沼公園と駒ケ岳、抜群の景観          大沼名物、三色だんご

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   ★帰り道は洞爺湖に寄って・・・

      洞爺湖を見下ろす絶景地点、サイロ展望台                              春の洞爺湖

 函館はイカった~

 グルメと温泉と景観、何より朝イカと海鮮丼が美味しく思い出に残る旅であった。
 過去に何度も函館は訪れてはいるが、やはり古き良き都である。

 日本は平和で、綺麗で、安心。水もタダ、空気も美味い、オモテナシも良い。
 日本に生まれて良かったとしみじみ感じるが、原子力、安保関連法、集団自衛権、
 憲法改正、消費税アップ、経済失速・・・ 課題も多い。 

                                            おわり

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