サントリー VS ニッカ
このところ、NHKの連続テレビ小説が何れも高視聴率らしい。 2014年度NHK連続テレビ小説後期は「マッサン」。 「日本のウイスキーの父」と言われる竹鶴政孝とその妻でスコットランド出身のリタとの物語である。 ドラマの興味は別として、竹鶴政孝がその昔競争企業であるサントリーで、ウイスキー事業を興し、その後ニッカを創業した事である。何故そのようになったのかはドラマに譲ることにして、ここではサントリーとニッカの比較検討をしてみた。 専門的に言うならば、両社の歴史とそれぞれの経営者から比較対象することにより興味が湧くのでポイントをその辺に置いてみた。 |
☆マッサン(竹鶴政孝)はイギリス:スコットランドで修業
ウイスキーの発祥の地はアイルランド 2011年に私は発祥の会社「オールドブッシュミルズ蒸留所」を訪ねた。 |
オールドブッシュミルズ蒸留所の建物、当然試飲も可能。マッサンは同時期に発祥したスコットランドで修業した。 | 試飲後、余りにも美味しいので購入。車の中で運転手以外でラッパ飲み、忘れられない味でした。 |
☆日本のウイスキー2社、発祥の地
大阪府三島郡島本町の山崎蒸溜所。鳥井信治郎が、葡萄酒の製造販売を目的とした鳥井商店を創業。 |
ニッカ発祥の地 北海道余市郡余市町に前身である「大日本果汁株式会社」が設立され、同社の略称「日果(にっか)」の片仮名書きが現在のブランド名「ニッカ」になっている。 一貫して 『品質のニッカ』を標榜。 |
☆創業者(テレビ)
サントリーの創業者:鳥井信治郎を演技派として知られる堤 真一(50才)が好演。 公共のNHKゆえに社名、人名は架空となっている。 |
マッサンこと竹鶴政孝を俳優:玉山鉄二(34才)、その妻リタ役をアメリカの女優:シャーロット・ケイト・フォックス(29才)が演じる。双方共に既婚。 |
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☆創業者(本物)
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サントリーの創業者 鳥井信治郎 |
竹鶴政孝(1894~1979)はスコットランド修業時代、妻となるリタの弟に柔道を教えていた縁で結婚することになる。 |
☆社名の由来
サントリー 当時の人気商品 「赤玉ポートワイン」 の「赤玉」すなわち |
ニッカ 1934年(昭和9年)北海道余市郡余市町で、 |
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☆現在の経営者
サントリー会長 : 佐治信忠 |
サントリー社長 : 新浪 剛史 (にいなみ たけし) 慶大卒、55才、横浜生れ。 サントリー前社長、佐治信忠は会長に就任。
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中川圭一 : ニッカ社長 東京都生まれの58歳、 今では親会社であるアサヒビールが、ニッカが製造する商品の販売及びマーケティングを全て実施、している。
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今や、影の社長夫妻となり、ニッカ売上げの貢献者となりつつある二人。
日本のウイスキー業界に大貢献、サントリーとニッカから今年は破格のボーナスがプレゼントされるかも?
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サントリー歴代社長 | ||
1 | 鳥井信治郎(鳥井商店→寿屋) | 1899~1961年 |
2 | 佐治敬三(寿屋→サントリー) | 1961~1990年 |
3 | 鳥井信一郎 | 1990~2001年 |
4 | 佐治信忠 | 2001~2014年 |
5 | 新浪剛史 | 2014年~ |
☆サントリー社長 新浪 剛史の実力と野望
三菱商事からの命令でローソンの立て直しを支持されたとはいえ、以下はジャーナリスト財部誠一の評価である。 新浪が残した最大の業績は、11年連続増収の輝かしい決算ではなく、ローソンを支える加盟店オーナーとの絶大な信頼関係だった。新浪は社員の心を、あるいは1万人近い加盟店オーナーの心をわしづかみにしてきた。力は勿論、人間的魅力もあるのであろう。 ダイエー(元、親会社)の経営破たんのプロセスで、ローソンの経営は傷み切っていた。新浪は徹底したスクラップ&ビルドを通じて、新浪ローソンを構築してきた。外部から優秀な人材を自らスカウトしながら、企業文化そのものから根こそぎローソンでイノベーションを起こしてきた。 佐治は、新浪が「数年前から意中の人物だった」と語っているが、新浪に対する期待、信頼は相当のものがある。新浪に近い筋によれば佐治は「三顧の礼をもって迎えた」と言う。 サントリーは最優良の同族企業である。ゆえに社員がいだく創業家へのロイヤリティは絶大だ。また創業家は社員に対して最後まで面倒を見る。そして創業家と社員をつなぐ信頼関係ができあがっている。 佐治が経営の一線から退くわけではない。二人三脚の経営体制となる。 また創業一族にバトンを戻すことも前提だろう。昨年夏に株式上場したサントリー食品インターナショナルの社長である鳥井信宏(48歳)に襷をつなぐのが新浪のミッションである。 こうした限定的な環境のなかで、新浪はサントリー社員からどれだけの信頼を勝ち取ることができるだろうか。 以上、ジャーナリスト財部誠一より 新浪は55歳。昭和56年に大手商社の三菱商事に入社し、平成14年にローソンの社長に就いた。 厳しいコンビニ業界での競争、当然セブンイレブンの鈴木敏文を意識しての挑戦であったろう。今では流通業の成功者である鈴木敏文に追い付け追い越せをスローガンにしていることが窺がわれる。 新浪 剛史 ローソンでの成功秘訣・・・ ローソン時代、社員の心を、あるいは1万人近い加盟店オーナーの心をわしづかみにしてきたと言われる。退いた今でもカリスマ的社長としてあがめられているという。 1.生鮮食品、惣菜を売る。 2.女性や高齢者をとりこむ。 3.いれたてコーヒーの販売 4.ローソンのおにぎりは美味いの評判、等他社に先んじた方針で顧客の支持を得てきた。 新浪 剛史 今後の野望は・・・ 三菱商事、ローソンと次々と成功を収めてきた新浪は、今度は名門サントリーで世界の市場を相手に活躍の場を求めたのである。一貫して流通業での活躍で、サントリーで活躍の次のステップを当然描いているだろう。 |
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☆伝統から飛躍へ (サントリー)
サントリーの宣伝 | サントリーの赤玉ポートワイン | アメリカ:ジムビーム社を買収 |
明治40年、サントリーが製造販売した「赤玉ポートワイン」 日本の広告ポスター史を語る上で絶対に外せない一枚。 |
寿屋(現サントリー)の創業者である鳥井信治郎がスペインから輸入した葡萄酒を販売したが、周囲からは不評だったため、「日本人の味覚に合った葡萄酒をつくる」べく、幾度となく甘味料の配合を重ね、1907年(明治40年)4月に「赤玉ポートワイン」を誕生させた。 名前にあるポートはポルトガルの港町ポルトの英語読みで、もともとポートワインとはポルト港から積み出されるポルトガル産ワインを意味していた。 その後、ポルトガル政府の抗議等で、商標権の問題を抱えていたこともあり、1973年(昭和48年)に現在の名称である赤玉スイートワインに改めた。 大正時代、ワイン市場の60%を占めていた。 その後大正12年、竹鶴政孝を招き国産ウイスキーの製造を始める。 |
ジム・ビーム(Jim Beam)は、ケンタッキー州、クラーモントで蒸留製造されているバーボン・ウイスキーの銘柄である。この銘柄のウイスキーは、1795年以来、蒸留製造されている。ジム・ビーム銘柄は、ビーム社が所有していたが、2014年、ビーム社全株をサントリーホールディングスが総額160億ドルで買収し、2014年5月に社名をビーム サントリーに変更した。 サントリーは、1兆6000億円で買収した米蒸留酒最大手ビーム社の120カ国に広がる販売網で、サントリーウイスキーを7月から売り始めた。 2013年に6000億円だった蒸留酒事業の売上高を2020年に1兆円にする目標を掲げる。 サントリーのビーム社買収で、サントリーは蒸留酒メーカーで世界10位だったが、蒸留酒事業では世界3位に浮上し、同分野で首位の英ディアジオ、2位の仏ペルノ・リカールの追撃を図る。
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☆ウイスキー 世界市場規模
ウイスキーの発祥の地はアイルランドであるが、一方ウイスキーの本場はアメリカである。以下はその規模である。 1位 アメリカ 3,094万ケース しかし、経済発展が著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)等の国が年率120%で伸びているという。特にインドは1位のアメリカを上回る勢いであるという。 |
☆サントリー会長 佐治信忠の野望
今回、サントリーのビーム社買収にあたって、三菱東京UFJ銀行が1兆4000億円を貸し出すという。 会長の佐治信忠が個人資産1兆円を所有しているとはいえ、この買収額は異常とも言える。 日本では人口減で多くを望めないが、世界的に見るとこのスピリッツ(蒸留酒)市場が成長しており、その売り上げは18兆円である。 上記のBRICsが著しくウイスキー市場で注目されており、特にBRICsの人口は BRICsの人口合計は約30億人、日本の人口1.2億人とは比較にならない。30倍である。 ここでサントリーの戦略が見えてくる。狭い日本ではなく、世界に目を転じたのである。そう、サントリーは国際的な企業に生まれ変わろうとしているのであろう。 だからこそ、同族の経験が少なく若い鳥井信宏(48歳)に5代目を譲らず、まだ55歳の新浪 剛史をワンポイント社長に据えたのであろう。 |
☆両会社の実績
サントリー | ニッカ(親会社:アサヒグループホールディングス の実績数字) |
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売上高 |
サントリービール 占有率21%(国内3位) |
1兆5,790億円 |
☆地元、北海道は
札幌の歓楽街、ススキノ十字街のビルには髭のニッカ 創業者の竹鶴政孝が北海道余市に工場を求めたのは、ウイスキーの発祥の地スコットランドに気候風土がマッチしていたためと言う。 |
余市町は人口2万人、漁業と農業(果樹園)の街 町はマッサンで1色 |
余市町長は 嶋 保 59才、北海学園大卒 |
☆頼むはコマーシャル(美女対決)
檀 れい 43才 熟女 広告で有名なのは開高健、山口瞳、松田聖子、椎名誠 |
井川 遥 38才 こちらも熟女 広告で有名なのはポール・アンカ、桜井淳子、大泉洋が人気を博した。 |
檀レイ コマーシャル動画 (←クリック) | 井川遥 コマーシャル動画 (←クリック) |
二人とも何れ劣らぬ熟女。アルコール業界、ウィスキー製造メーカーゆえに熟成の美女対決であろうか。はたして軍配はどちらに! |
☆海外の評価
「海外視点」で日本を報道するNewSphereによる記事は以下の通り。 日本のウイスキーの味の傾向について、滑らかで、芳醇で、深みがある、という特徴を挙げている。スコッチよりも口当たりが良いため、女性客にも人気が高く、しかもストレートで味わっている、と香港のウイスキーバーのオーナーはコメントしている。また、スコッチほど古い年代物にこだわらなくても、十分に満足のいく質だ、と述べている。 【日本のウイスキーの“聖地”巡礼へ】 蒸留所のある土地の風景の美しさや、土地の特色、工場見学ツアーの様子などを、詳しく紹介している。また、自分はこれまでいろいろ日本を旅してきたが、余市蒸留所のテイスティングルームで、雪に覆われた景色を窓から眺めながら、ウイスキーを試飲したのが、いままでで最高の経験だった、と記者は記している。そして、蒸留所でしか手に入らない、試飲できない貴重なウイスキーがある、とウイスキー好きの読者の心を刺激している。記事には、両蒸留所へのアクセス情報も添えられている。 |
結び・・・ サントリーとニッカの対決は、昔から話題は尽きなかった。 高校時代は金は当然なく焼酎であった。メーカー等記憶には無い。少年時代、アルコールなんぞ飲まなければ頭脳明晰でバラ色の人生を迎えられただろうにと反省したが、そこが人生と自覚した。 大学生として花の都・東京時代、自称貧乏学生、苦学生の代表であった。アルバイトで資金を貯めては仲間とスナックやバーに通った。当然目的は酒ではなく夜の蝶であった。 トリス・バ―のトリスが、当時サントリーとは知らなかった。サントリー・レッドやハイ・ニッカは安くて学生の味方であつた。 社会人に転じて、友人がサントリーやニッカの社員になっていた。当然ウイスキーもビールも自社製しか飲まない。いたずらして酔った友にコップに他社の酒を飲まして間違うと皆でヤンヤの喝采であった。 サントリーが世界に飛躍するという。アメリカのジム・ビーム社を買収し、その商圏は世界120カ国になるという。 海外旅行をすると、世界の各地でトヨタ、ニッサン、ホンダ、マツダの車業界の看板を目にする。またキャノンは先進国では超有名だ。(発展途上国ではポイ捨ての中国製カメラが多いようだが) 今後、世界中に「ニッカ」、「サントリー」の看板と評判がまん延するかも知れない。合わせて世界遺産の日本料理とセットでますます人気が出るかも・・・ 両社は、我々貧乏年金高齢者を相手にはしておれないだろう。そうなると、せめて三途の川や天国か地獄でで安い酒を探すしかない。 それにしても、NHKの連続テレビ小説は影響力抜群である。ニッカかサントリーが企業献金か賄賂を贈ったのではと勘繰りたくなる。 今回はウイスキーであつたので、次回は食べ物でしょう。斜陽の食品業界の経営者は今から寝ずに考えた方が宜しい様で。時間が来ましたので今回はこの辺で。 |