西洋近代絵画展

      

 2016年7月、ある美術館で西洋近代絵画展が開催されるので見学を楽しみにしている。

 海外旅行140カ国を経験し、タイミングを見ては各国の美術館を見て周ってきた。特に西洋絵画は見どころがあった。じっくり見た後、近くに寄って画家の力強いタッチ、繊細な描写、光と影の見事な描写等など・・・

 絵画展見学を前にして、改めて西洋近代絵画のイロハを時系列に復習してみた。特に当時の画家のプロフィールや特徴を追ってみた。

 

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  画家名      年代          絵画の特色と様式
  モ ネ     1840年 - 1926年      印象派(斬新な描画)を代表するフランス画家   

 

 「光の画家」の別称がある。 『睡蓮』の連作は 全部で200点以上制作。 

 睡蓮と日本風の橋とをテーマとした連作を手がけ、18点が制作された。

 若い頃からの日本美術への傾倒が強く、日本の衣装を着けた妻カミーユをモデルにした『ラ・ジャポネーズ』を出品している。

      (代表作)  印象・日の出         睡蓮       積みわら、霜の朝


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     画家名      年代        絵画の特色と様式
    ルノワール     1841年 - 1919年      フランス印象派

     

  代表作の多くは人物画 

  晩年は豊満な裸婦像などの人物画に独自の境地を拓いた。

  晩年にはリューマチに悩まされ、指に筆をくくりつけて描いたとも云われている。

         
      陽光を浴びる裸婦               水浴の女たち                 長い髪の浴女     

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  画家名     年代            絵画の特色と様式
    ゴッホ      1853年 - 1890年        オランダ出身でポスト印象派

    

 作品の多くはフランス居住時代 作品は感情の率直な表現、大胆な色使い

 日本の浮世絵に多大な感銘を受けた。生前に売れた絵はたった1枚。

 ゴーギャンとの共同生活は短く、喧嘩のあと自分の耳を切った事件は余りにも有名。
 ゴッホほどに挫折と失恋と失敗が多い画家はいない。絵が売れないためモデルを
雇えないため自画像が多い画家。

   

         
         ひまわり            ジャポネズリー:梅の開花(広重を模して)
            

 包帯をしてパイプをくわえた自画像          

           
        種まく人     糸杉と星の見える道        アルルの跳ね橋

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  画家名      年代                 絵画の特色と様式
 セザンヌ     1839年 - 1906年  フランスの画家 ポスト印象派(平面上に色彩とボリュームからなる
 独自の秩序をもった絵画を追求する派)      

 「近代絵画の父」と言われている。モネ、ルノワール、ピサロとの友情が深い。
 セザンヌは、ルノワールと並ぶ最高水準価格の画家となった。
 2013年には、『サント=ヴィクトワール山』が1億ドル  (125億円)で相対取引
 されたとされる。2011年、「カード遊びをする人々」は307億円と当時史上3位の高額。

           女性水浴図 サント・ヴィクトワール山               カード遊びをする人々

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     画家名       年代            絵画の特色と様式
      ピカソ       1881年 - 1973年        キュビスム(立体派)の画家

     スペインのマラガに生まれ、フランスで制作活動をした画家、素描家、彫刻家。
 最も多作な美術家。作風がめまぐるしく変化した画家として有名であり、
  それぞれの時期が「◯◯の時代」と呼ばれている。20世紀最大の画家で天才。

  正式の妻以外に多くの愛人を持ち女性関係は華やかであった。ピカソには
 かけがえのないパートナーがいた。それは鳩である。
  アトリエには妻さえ入れなかったが、鳩は特別に入れていた。

  ピカソは新しい絵を描き上げると、なじみの画商を数十人呼んで展覧会を開き、
 作品を描いた背景や意図を細かく説いたという。たくさんの画商が集まれば、
 自然に競争原理が働き、作品の値段も吊り上がる。
  同じ天才のゴッホは画才がありながら売れなかったが、ピカソは画才+商才が
 あったために裕福になったと言う。

             
キュビスムの原点 「アヴィニョンの娘たち」 青の時代 「人生 La Vie(ラ・ビィ)」             ばら色の時代「パイプを持つ少年」        

              

        ゲルニカ          泣く女           鳩

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   画家名     年代             絵画の特色と様式
  シャガール  1887年 - 1985年    20世紀ロシア(現ベラルーシ)出身のフランス画家で 
   キュビスム(立体派)の画家   

     生涯、妻ベラへの愛や結婚をテーマとした作品を多く製作、一途に敬愛したので
 「愛の画家」と呼ばれる。

 毒舌家としても知られ、ピカソに対しては極めて辛辣な評価を下している

    七本指の自画像      ロミオとジュリエット                  私と村    

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   画家名     年代                絵画の特色と様式
  コロ―     1796年 - 1875年     フランス画家 次世代の印象派との橋渡しをした  

   

 詩情あふれる森や湖の風景画で知られる。

 イタリアやフランス各地のありふれた風景を描いたものが多い

 コローの影響を受けた画家としては、印象派・ポスト印象派のピサロ、モネ、セザンヌ、
 キュビスムのピカソ、ブラック、グリスなどが挙げられる。

      
  青い服の婦人       モルトフォンテーヌの思い出                   真珠の女      



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    画家名     年代              絵画の特色と様式
     クールベ  1819年 - 1877年   フランス写実主義(現実を空想によらず、ありのままに
  捉えようとする画風)の画家。     

  

 裕福な地主の子として生まれる。

 肖像画のほか、森の中の動物を主題にした風景画や、官能的な裸婦像
などにも傑作を遺している。

 世界初の「個展」を開いた。

 

    村の貧しい女         画家のアトリエ          絶望(自画像)         
                          白い靴下                                  世界の起源        


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       画家名        年代           絵画の特色と様式
     ピサロ      1830年 - 1903年        フランス印象画家

 

 印象派の画家のなかでは最年長者で、ゴッホら、人付き合いの悪かった
 
セザンヌさえもピサロを師と仰いだ。

 風景だけでなく、農村を舞台にした人物画を多く描くようになった。
 ピサロが生涯残した油彩画作品は1316点、版画は200点余りにものぼる。

    りんごの収穫       テアトル・フランセ広場               エラニーの干草収穫       

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    画家名      年代          絵画の特色と様式
   シスレー      1839年 - 1899年    フランス生まれのイギリス人の画家、印象派   

 

 シスレーは終始一貫、印象派画法を保ち続け、もっとも典型的な印象派の画家といえる。

 パリ周辺の風景を題材にした穏やかな風景画で、人物、室内画、静物といった
 他のジャンルは全て合わせてもおそらく20点に満たない。

 シスレーは「生きている間に日の目を見なかったただ一人の印象派と言われている

               洪水と小舟             ルヴシエンヌの雪                       セーヴル街道の眺め        

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       画家名       年代          絵画の特色と様式
     ゴーギャン      1848年 - 1903年       フランスポスト印象派   

 

 ポスト印象派は(印象派の後に、フランスを中心として活躍した画家たちで
 ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなど)の画家

 ゴッホと共同生活、南太平洋のタヒチでの作品が多い。ゴ

 ーギャンは妻と5人の子供がいたが絵を描くために顧みず離婚されていた。
 南太平洋では島の若い娘5人とそれぞれ同棲し、4人の子供が生まれた。

   ひまわりを描くゴッホ    タヒチの女(浜辺にて)               死霊は見守る、死霊が見ている       
                  「われわれはどこから来たのかわれわれは何者かわれわれはどこへ行くのか」                  


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       画家名       年代          絵画の特色と様式
     シニャック          1863年 - 1935年

     フランスの画家で新印象派 (点描画)

  新印象派(科学性を重視し、印象派による光の捉え方を、より理論化し、
点描法によって、光をとらえることができ点描画とも云われる)の代表的画家。

 シニャックは、話し好きで陽気な性格であったため、気難しい性格だったゴッホ
とも争いを起こす事もなく付き合っていた 

       赤い浮標      サン=トロぺの港                            赤い浮標         

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       画家名        年代            絵画の特色と様式
     ブラック         1882年 - 1963年      パブロ・ピカソと共にキュビスム  

 

 キュビスム(いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収める手法)の
創始者のひとり。

 絵画における発明の才はピカソも一目を置いた。

 仲間から「白い黒人」と描写されるほど体格が良く、
また好んでスーツを着るハンサムであった。

           レスタックの家                     家と木                                レスタックの風景        

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     画家名       年代          絵画の特色と様式
    ルドン       1840年- 1916年

    フランス画家象徴主義 

 夢や無意識の世界に踏み込んだ作品で幻想の世界を描き続けたので
象徴主義 (事物を忠実には描かず、理想世界を喚起し、魂の状態の表現) 画家と言われる。


 独自の道を歩んだ孤高の画家。

      
          眼=気球   ビーナスの誕生                     仏陀

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      画家名       年代          絵画の特色と様式
   ブラマンク    1876年 - 1958年   フランス画家で、フォーヴィスム   

 フォーヴィスムは野獣派とも云い、原色を多用した強烈な色彩と、激しいタッチに分類される。

 あらゆる伝統を拒否し、自分の才能だけを信じたが、
ファン・ゴッホにだけは少なからず影響を受けている。

 絵は絵具チューブから絞り出した原色を塗りつけているように見える。

             赤い木のある風景          風景                   花瓶の花  

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         近代西洋絵画史の特徴

 

 古典主義~ロマン主義~バルビゾン派~写実主義~ラファエル前派~印象派

 新印象派後期印象派~ナビ派~象徴主義~アール・ヌーヴォー~ウィーン分離派~
 フォービズムキュービズム~(以下省略)              (赤印 :下記)
 写実主義

 現実を空想によらず、ありのままに捉えようとする。

        (代表画家:クールベ)

  印象派  

 空間と時間による光りの質の変化の正確な描写、動きの包摂、斬新な描画アングル等。

        (マネ、モネ、ルノアール)

 新印象派  

 科学性を重視し、印象派による光の捉え方を、より理論化し点描法によって、
 光をとらえることができる、と考えた。

        (シニャック、ジョルジュ・スーラ)
 後期印象派

 印象派の傾向を受け、それを出発点としながらも、批判的に継承しつつ、
 厳密な形態の復活、原始的な題材や激しい色彩の導入などの独自の特徴を生み出し、
 20世紀の美術のさきがけとなった。

        (ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ)

 象徴主義

 事物を忠実には描かず、理想世界を喚起し、魂の状態の表現。

        (ルドン、モロー)
 フォービズム

 野獣派とも云い、原色を多用した強烈な色彩と、激しいタッチ。      

               (ブラマンク、マティス)

 キュービズム

 いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収める手法

        (ピカソ、ブラック、シャガール)

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近代西洋有名画家国別一覧

 スペイン  ベラスケス(1599年生まれ)、ゴヤ(1746)、ピカソ(1881)、ダリ(1904)
 フランス 

 コロー(1796)、ドラクロワ(1798)、ミレー(1814)、クールベ(1819)、ピサロ(1830)、
 マネー(1832)、シスレー(1839)、セザンヌ(1839)、 
ルドン(1840)、モネ(1840)、
 ルノワール(1841)、ゴーギャン(1848)、 
シニヤック(1863)、ブラマンク(1876)、
 ブラック(1882)、シャガール(1887)

 イタリア  ボッティチェッリ(1445)、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452)、ミケランジェロ(1475)、
 ラファエロ(1483)、
 オランダ   レンブラント(1606)、フェルメール(1632)、ゴッホ(1853)、クーニング(1904)
 イギリス  ターナー(1775)、コンスタベル(1776)、ホックニー(1937)
 ドイツ  デューラ(1471)、ルーベンス(1577)、フリードリヒ(1774)、リーバーマン(1847)
 ベルギー  ブリューゲル(1525)、マグリット(1898)
 オーストリア  クリムト(1862)、ココシュカ(1886)、シーレ(1890)
 ギリシャ  グレク(1340)、エル・グレコ(1546)
 ノルウェー  キッテルセン(1857)、ムンク(1863)

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        世界で最も高額な絵画のランキング (2016年現在)

 

1位  

金額 
 
336億円 

 絵画名

 『インターチェンジ』

 

画家名

  ウィレム・デ・クーニング

 


 特徴

  クーニングは20世紀のオランダ出身の画家。主にアメリカで活動した。抽象表現主義の画家で、具象とも抽象ともつかない表現と激しい筆触が特色である。

 抽象表現主義の創始者の一人として、20世紀美術史の上に重要な位置を占める。

2位 336億円  『いつ結婚するの』  ポール・ゴーギャン  ポスト印象派の画家。

 ゴッホと共同生活、南太平洋のタヒチでの作品が多い。ゴーギャンは妻と5人の子供がいたが絵を描くために顧みず離婚されていた。
南太平洋では島の若い娘5人とそれぞれ同棲し、4人の子供が生まれた。

3位   307億円  

  『カード遊びをする人々』

 ポール・セザンヌ

  「近代絵画の父」と言われている。モネ、ルノワール、ピサロとの友情が深い。
 セザンヌは、ルノワールと並ぶ最高水準価格の画家となった。
 2013年には、『サント=ヴィクトワール山』が1億ドル(125億円)で相対取引されたとされる。2011年、「カード遊びをする人々」は307億円と当時史上3位の高額。
4位 224億円  『ナンバー17A』  

 ジャクソン・ポロック

 アメリカの画家。抽象表現主義の代表的な画家であり、彼の画法はアクション・ペインティング (顔料を紙やキャンバスに注意深く塗るかわりに、垂らしたり飛び散らせたり汚しつけたりするような絵画の様式) とも呼ばれた。抽象表現主義の画家たちの活躍により、1950年ごろから美術の中心地はパリではなくニューヨークであると考えられるようになった。
5位 202億円  『マールテン・ソールマンスとオーペン・コーピットの肖像』  レンブラント  レンブラントは、同じオランダのフェルメール、イタリアのカラヴァッジョ、フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなどと共に、バロック絵画 (光と影の明暗を明確にする技法) を代表する画家。「光の画家」「光の魔術師」「光と影の魔術師」)の異名を持っていた。
6位 201億円  『アルジェの女たち』  パブロ・ピカソ   ピカソは新しい絵を描き上げると、なじみの画商を数十人呼んで展覧会を開き、
 作品を描いた背景や意図を細かく説いたという。たくさんの画商が集まれば、
 自然に競争原理が働き、作品の値段も吊り上がる。
  同じ天才のゴッホは画才がありながら売れなかったが、ピカソは画才+商才が
 あったために裕福になったと言う。
7位 191億円  『横たわる裸婦』  

 アメデオ・モディリアーニ

 イタリアの画家、彫刻家。絵画のほとんどは油彩の肖像と裸婦であり、顔と首が異様に長いプロポーションで目には瞳を描き込まないことが多いなど、特異な表現をとっている。
 ピカソに12年前の借金を返済されたとき、5フランの借金に対して「利子」と称して20倍の100フランを請求したというエピソードを持つ。
8位 185億円  『No.5, 1948』  

 ジャクソン・ポロック

 アメリカの画家。抽象表現主義の代表的な画家であり、彼の画法はアクション・ペインティング (顔料を紙やキャンバスに注意深く塗るかわりに、垂らしたり飛び散らせたり汚しつけたりするような絵画の様式) とも呼ばれた。抽象表現主義の画家たちの活躍により、1950年ごろから美術の中心地はパリではなくニューヨークであると考えられるようになった。
9位 182億円  『ウーマンIII』  

 

 ウィレム・デ・クーニング

 クーニングは20世紀のオランダ出身の画家。主にアメリカで活動した。抽象表現主義の画家で、具象とも抽象ともつかない表現と激しい筆触が特色である。

 抽象表現主義の創始者の一人として、20世紀美術史の上に重要な位置を占める。

10位 178億円  『夢』  

 

 パブロ・ピカソ

  ピカソは新しい絵を描き上げると、なじみの画商を数十人呼んで展覧会を開き、
作品を描いた背景や意図を細かく説いたという。たくさんの画商が集まれば、自然に競争原理が働き、作品の値段も吊り上がる。
 同じ天才のゴッホは画才がありながら売れなかったが、ピカソは画才+商才が
 あったために裕福になったと言う。

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